Blog
会社紹介ページの書き方|見落とされがちな5つの判断材料
会社紹介ページとは、事業内容の説明だけでなく、取引前に必要な判断材料までを揃えたページのことです
会社紹介ページとは、自社が何をしている会社かを伝えるだけでなく、訪問者が取引を検討する際に必要な判断材料までをひとつのページに揃えたものを指します。結論を先に言うと、多くの会社紹介ページは「事業内容」と「沿革」は書かれているのに、訪問者が本当に知りたい情報が抜けたまま公開されています。
要点は3つです。①自分がその会社の対象顧客かどうかを判断する情報が抜けている、②その会社を信頼してよいかを裏付ける客観的な情報が抜けている、③人として関わりたいと思えるかどうかを判断する情報が抜けている、という3種類の抜けです。
情報量を増やす前に、まずこの3つのどこが抜けているかを確認することが、会社紹介ページの書き方を見直す最初の一歩になります。文字数を足すこと自体は目的ではなく、この3種類の抜けを埋めることが目的だという前提を、最初に確認しておきます。
なぜ同じ情報量でも『信頼されるページ』と『素通りされるページ』に分かれるのか
会社紹介ページの文字数や項目数を比べても、信頼されるかどうかの差はほとんど説明できません。差がつくのは、書かれている情報が「会社側が伝えたいこと」なのか「訪問者が判断したいこと」なのかという向きの違いです。
事業内容や代表挨拶は、会社側が伝えたい情報としては十分でも、訪問者が取引可否を判断する材料としては不十分なことがよくあります。訪問者は会社紹介ページを読みながら、無意識のうちに「自分は対象か」「信頼してよいか」「この相手で大丈夫か」という3つの問いに答えを探しています。
この3つの問いに答える情報が揃っているページほど、滞在時間が伸び、問い合わせへ進む確率が上がります。逆に言えば、情報を足す作業は「もっと書く」ことではなく、この3つの問いのどこに答えが足りていないかを見つける作業だということです。
問い合わせ数が伸び悩んでいるときほど、デザインや文章表現を先に疑いがちですが、実際には向きの違う情報ばかりが並んでいることが原因になっているケースが少なくありません。
判断材料を『対象・信頼・人柄』の3層で整理すると、抜けが見つけやすくなる
会社紹介ページに何を足すべきかを考えるとき、思いつくままに項目を並べると、結局どこから手をつければよいか分からなくなります。ここでは判断材料を「対象層(自分は対象か)」「信頼層(信頼してよいか)」「人柄層(関わりたいか)」という3つの層に分けて考えます。
事業内容や料金目安は対象層、実績や資格は信頼層、代表者の人柄や理由は人柄層にあたります。多くの会社紹介ページは対象層(事業内容の説明)だけが厚く、信頼層と人柄層が薄いという偏りを持っています。
この3層という切り口で既存のページを読み返すと、「文章としては読めるのに、なぜか問い合わせにつながらない」ページの多くが、信頼層か人柄層のどちらかがほぼ空白になっていることに気づけます。
対象層|『自分が対象かどうか』を判断する情報
対象層で抜けやすいのは、対応しているエリア(対面対応が可能な地域か、全国オンライン対応か)、対応可能な予算感や事業規模の目安、そして対応していない業種やケースの明記です。事業内容の説明だけでは、個人事業主でも依頼できるのか、一定規模以上の企業しか対応していないのかが分からず、訪問者は問い合わせる前に離脱します。
例えば「法人のお客様を中心にご相談を承っております」という一文があるだけで、個人事業主の訪問者はその場で対象外だと判断でき、無駄な問い合わせを双方が避けられます。「幅広く対応します」という書き方は親切に見えて、実際には対象範囲が曖昧なまま伝わり、かえって問い合わせへの心理的なハードルを上げてしまうことがあります。
対象層の情報は、営業的に範囲を狭く見せたくないという理由で後回しにされがちですが、範囲を明確にすることと間口を狭くすることは別の話だという前提で書き分ける必要があります。
信頼層|自己評価の言葉ではなく、裏付けのある情報を置く
信頼層で抜けやすいのは、会社の説明そのものではなく、その説明を裏付ける客観的な情報です。許認可や登録番号、加盟している業界団体、取引実績の業種傾向や継続年数、メディア掲載や受賞歴といった第三者からの評価がこれにあたります。
取引先の社名を個別に出せない場合でも、「どのような業種・規模の相手と、何年ほど取引を続けているか」という傾向だけであれば、守秘義務を守ったまま具体的に書けます。自己評価の言葉(「高品質」「丁寧な対応」など)をいくら並べても、裏付けがなければ訪問者の判断材料にはなりません。
信頼層が薄いページほど、形容詞の多い文章で埋まっている傾向があります。創業間もない会社の場合、実績の年数では勝負できないため、代わりに「どのような基準で仕事を引き受けているか」という判断基準そのものを具体的に書くことが、信頼層の代わりになります。
信頼層を足すときの3つの確認点
①許認可・登録番号・加盟団体など確認可能な情報はあるか ②取引実績を社名ではなく業種傾向・継続年数で語れるか ③メディア掲載や受賞歴など第三者からの評価はあるか。この3点のうち1つでも書けるものがあれば、自己評価の言葉より先に掲載する価値があります。
人柄層|『誰が、なぜこの事業をしているか』を一文で添える
人柄層で抜けやすいのは、事業内容ではなく「誰が、なぜこの事業をしているか」という情報です。代表者や担当者の顔写真、そしてその事業をしている理由が一文で添えられているだけで、訪問者が受け取る印象は大きく変わります。
沿革として設立年や登記情報を並べるだけでは、今この会社が何を大事にして仕事をしているかは伝わりません。重要なのは経歴の長さではなく、「なぜ今の形で事業をしているか」という理由です。
例えば「前職で感じた〇〇という課題を解決したくて独立した」という一文は、経歴年数よりも訪問者の記憶に残ります。この理由は採用向けのメッセージではなく、取引を検討している相手に向けて、関わる前に人柄を知ってもらうための情報として書くのが本来の目的です。
顔写真を載せることに抵抗がある場合は、無理に写真を用意するより先に、理由を一文にする作業から着手した方が、少ない負担で人柄層を埋められます。
業種によって、優先して埋めるべき層は変わる
3層のどこから埋めるべきかは、業種によって優先順位が変わります。例えば専門資格を前提とする士業や許認可業種では、信頼層(資格・登録番号・加盟団体)が最優先です。
対象層が曖昧でも、資格の裏付けさえ明確なら問い合わせにはつながりやすくなります。反対に、デザインやブランディングのように好みや相性が成果を左右する業種では、人柄層(誰が担当するか、どんな考え方で仕事をしているか)の影響が大きくなります。
見積もり条件が複雑な業種(工事・システム開発など)では、対象層(対応エリア・規模・予算感)が曖昧なままだと、信頼層や人柄層がどれだけ充実していても離脱が起こりやすくなります。自社がどの業種に近いかを考えてから、3層のうちどこを優先するかを決めると、限られた時間で効果的に直せます。
業種ごとの優先順位は固定的なものではなく、同じ業種内でも「価格の安さで選ばれたいか、相性の良さで選ばれたいか」という狙いの違いによって変わるため、自社がどちらを重視しているかも合わせて確認しておく必要があります。
『対応できない仕事』をあえて明記すると、信頼が上がる理由
会社紹介ページでは「できること」ばかりを並べがちですが、「対応していない仕事」や「お断りしているケース」をあえて明記すると、かえって信頼が上がります。理由は単純で、対応範囲が意図的に絞られていると分かれば、残りの対応範囲は本気で取り組んでいる領域だと伝わるからです。
逆に、何でもできるという書き方は、専門性よりも営業上の都合を優先しているという印象を与えることがあります。断っている仕事を書くという発想は、情報を増やす工夫ではなく、書いてある情報の信頼性を底上げする編集の工夫だと捉えると判断しやすくなります。
これは対象層の情報であると同時に、信頼層を補強する効果も持つという意味で、3層のどちらにも効く珍しい項目です。
問い合わせへの導線が弱いページに共通する設計ミス
会社紹介ページに必要な情報が揃っていても、問い合わせへの導線が弱いために成果につながらないケースがあります。よくあるのは、問い合わせリンクがページ最下部のナビゲーションにしかなく、読んでいる途中で行動に移せないという設計です。
訪問者が「対象かどうか」「信頼できるか」を確認し終えたタイミングで、近くに問い合わせへの入り口がなければ、そのまま他のページへ移動してしまいます。情報を読み終えた直後に、次に何をすればよいかを示す導線を用意しておくことが欠かせません。
人柄層の情報(代表者の紹介など)の直後に導線を置くと、気持ちが動いたタイミングを逃さずに行動へつなげやすくなります。問い合わせフォーム自体の入力項目が多すぎることも、導線の弱さを招く要因としてよく見落とされます。
必要な項目はひととおり書いたはずなのに、問い合わせがなかなか増えません。
今の会社紹介ページがどの層・どの導線で止まっているか、自分では判断しにくい場合は
サイトの課題を相談する情報を足すときに守るべき順序|一度に全部埋めようとしない4ステップ
抜けている項目に気づくと、一度にすべて埋めたくなりますが、優先順位をつけずに手をつけると中途半端な加筆で終わりがちです。まず①現在の会社紹介ページを対象層・信頼層・人柄層の3つの軸で棚卸しし、どこが最も薄いかを確認します。
次に②業種の特性を踏まえて最も抜けの大きい軸から1項目ずつ埋めます。続けて③実績やプロフィールは、書ける範囲で構わないので固有名詞や数字を使って具体化します。
最後に④情報を読み終えた位置に問い合わせへの導線を調整します。この4ステップは、ページ全体のデザインや構成を変える作業ではなく、既存のページに情報を足し込む作業として進められるため、作り直しに比べて着手のハードルが低いという利点もあります。
この順序を守ると、ページ全体を作り直さずに、抜けている判断材料から優先的に補えます。
『全部埋めよう』とすると起きる、よくある失敗パターン
3つの層をすべて一度に埋めようとすると、かえって逆効果になることがあります。よくある失敗は、書ける具体的な事実がないまま項目欄だけを埋めるために、抽象的な一般論の文章が増えてしまうケースです。
例えば、信頼層を埋めようとして「お客様第一主義」「丁寧な対応を心がけています」といった表現を並べても、どの会社のページにも書けてしまうため、判断材料としての力を持ちません。もう一つの失敗は、情報量を優先するあまりページが長くなりすぎて、肝心の問い合わせ導線が埋もれてしまうケースです。
さらに、3層すべてを同じ分量で埋めようとして、本来厚くすべき層(自社の業種で最も重視される層)が他の層に埋もれてしまうという失敗も起こりがちです。項目を埋める基準は「書く量」ではなく、「3つの問いのどれかに、具体的に答えられているか」で判断する必要があります。
既存ページを見直すときの簡易チェックリスト
作り直す前に、今のページがどこまで埋まっているかを確認しておくと、必要な作業量を見積もりやすくなります。まず社名・所在地・連絡先といった企業情報としての必須項目がそもそも抜けていないかを確認し、その上で3つの層を見ていきます。
対象層については、対応エリア・予算感・対応していないケースが書かれているかを確認します。信頼層については、許認可や加盟団体、実績の傾向、第三者評価のいずれかが載っているかを確認します。
人柄層については、担当者の顔が見える情報と、事業をしている理由が一文でもあるかを確認します。最後に導線として、情報を読み終えた位置の近くに問い合わせへのリンクがあるかを確認します。
4項目のうち2つ以上が空白であれば、部分修正よりもページ構成そのものの見直しを検討する目安になります。このチェックは一人で行うより、社外の人に実際にページを読んでもらい、どこで「よく分からない」と感じたかを聞く方が、抜けている層を正確に見つけやすくなります。
FAQ:会社紹介ページの書き方に関するよくある質問
Q1. 会社概要ページと会社紹介ページは何が違いますか。会社概要は社名・所在地・設立年などの基本情報を一覧で示すページ、会社紹介ページはそこに加えて事業内容や判断材料を伝える読み物としての性格を持つページを指すことが多く、サイトによっては1ページに統合されています。
Q2. 代表者の写真は必ず必要ですか。必須ではありませんが、人柄層を補う手段として有効です。
写真を出せない事情がある場合は、顔の代わりに「なぜこの事業をしているか」という理由の文章だけでも効果があります。Q3. どのくらいの文字数を目安にすればよいですか。
文字数そのものに基準はなく、対象層・信頼層・人柄層のそれぞれに具体的な答えがあるかどうかで判断します。情報が薄い層を具体化すれば、結果として適切な分量に落ち着きます。
Q4. 既存のページを直す場合、作り直しと部分修正のどちらを選ぶべきですか。3層のうち1層だけが薄い場合は部分修正で十分なことが多く、全面的な作り直しが必要なケースは限られます。
Q5. 信頼層の情報が本当に何もない場合はどうすればよいですか。創業したばかりで実績が少ない場合は、資格や加盟団体がなくても、対応方針や判断基準を具体的に書くこと自体が信頼層の代わりになります。
まとめ:項目を増やす前に、抜けている判断材料から埋める
会社紹介ページの書き方を見直す際は、情報量を増やすことではなく、対象層・信頼層・人柄層という3つの判断材料のうち、どこが抜けているかを先に特定することが出発点になります。業種によって優先すべき層は変わるため、自社の業種に合わせて抜けの大きい層から埋め、問い合わせへの導線を近くに用意すれば、ページを作り直さなくても成果は変わってきます。
どの層から手をつけるべきか、自社だけでは判断しにくい場合は
会社紹介ページの状態を相談するこの内容、うちの場合はどうなる?を、直接聞いてみませんか。
Web・EC・広告・AI活用まで、事業の現在地に合わせてCATARIVEがお話をお伺いします。
あわせて読みたい

コーポレートサイトとLP|先に作る方を決める4つの問い
コーポレートサイトとLPのどちらを優先するかは、予算より先に、相手が会社を確かめに来るのか初めて知るのかで決まります。4つの問い、事業段階別の順番、最小構成、2つ目に着手する合図まで整理します。

サイトの写真の質|会社の印象を左右する4つの判断基準
サイトの写真の質が会社の印象をどう左右するかを、被写体の本物度・光と構図の一貫性・技術的な画質・文脈との整合性という4つの判断基準で解説。プロ撮影とスマホ撮影の分け方、よくある失敗パターン、公開前に確認すべき3つのことまで整理します。

サイトリニューアルの判断基準|部分改修で足りるか見極める
サイトを全面リニューアルすべきか、部分改修で足りるかを判断する手順を解説。原因・変更範囲・確認範囲の記入例で整理し、見積もりの比較、既存資産の引き継ぎ、公開前後の点検まで扱います。